Claude Codeを使えるようになると、
うっかり戌せっかくなら、多くの人が使うアプリを作りたい
自社独自のサービスを一気に完成させたい
会社の作業が一気通貫で全自動できる仕組みを作りたい
と、最初から大きなものを作りたくなるかもしれません。
しかし、非エンジニアが最初の題材として選ぶなら、利用者の多いサービスよりも、自分や部署の限られた人だけが使う“小さな専用道具のほうが向いています。
第2回となる今回は、Claude Codeで「作るべきもの」と「最初は作らないほうがよいもの」の境界を、いざな丑と一緒に整理します。




最初に狙うのは「すごいもの」ではなく「自分に効くもの」
市販の業務システムは、多くの会社や利用者が使えるように設計されています。そのため機能が豊富な一方で、自社独自の細かな手順には合わないことがあります。
たとえば、次のような仕事です。
- 複数のCSVを毎月同じ形式に整える
- 決まったフォルダにあるファイルを分類・改名する
- 社内用の一覧表や定型レポートを作る
- Webページ内の表記を複数ファイルにわたって修正する
- 入力した情報から社内向けの文書案を作る
- 部署独自の進捗を確認する簡単な画面を作る
一つひとつは地味でも、毎週・毎月くり返していれば、積み重なる負担は小さくありません。



最初の題材では、世の中を驚かせる新サービスを目指す必要はありません。まずは、自分が何度も行っている面倒な作業を一つ減らすことが、Claude Codeの価値を実感しやすい始め方です。
Claude Codeで最初に作りやすいものの4条件
1.利用者が自分または社内に限られている
利用者が限定されていれば、要望を聞きやすく、不具合が起きたときも状況を把握しやすくなります。
まずは自分専用、次に同じ部署の数名、問題がなければ他部署へ、と少しずつ広げられるものが適しています。
2.くり返し発生する面倒な作業である
一度しか行わない作業より、毎日・毎週・毎月発生する仕事を選ぶほうが、改善効果を確認しやすくなります。
「毎月2時間かかる集計が短くなった」「転記箇所が減った」など、導入前後を比べられるテーマがおすすめです。
3.手順と完成形を説明できる
Claude Codeに任せやすいのは、入力するもの、処理の流れ、欲しい出力を言葉にできる仕事です。
現在の手順が人によって異なる場合や、完成の条件が曖昧な場合は、先に業務そのものを整理する必要があります。
4.失敗しても元に戻せる
元データを残したままコピーを加工する、出力結果を人が確認してから使うなど、やり直せるものから始めます。
Claude Codeはファイル編集やコマンド実行まで行えるため、「間違えたら戻せる設計」は、便利さ以上に重要です。


最初は作らないほうがよいもの
反対に、技術的に試作できそうであっても、最初の題材には向かないものがあります。
不特定多数が使う公開サービス
社外へ公開するサービスでは、利用者ごとの認証、アクセス集中への対応、不正利用対策、問い合わせ対応など、画面上では見えにくい設計が必要です。
「ひとまず動いた」と「安心して公開できる」の間には、大きな差があります。
決済や顧客情報を扱う仕組み
クレジットカード決済、月額課金、顧客の個人情報などを扱うと、情報管理や権限、障害時の対応まで考える必要があります。
小さなツールに見えても、扱う情報が重ければリスクは小さくありません。
法令や重要判断に直結する仕組み
契約、労務、会計、与信などの判断を自動で確定させる仕組みも、最初の題材としては慎重に考えるべきです。
AIの出力を参考情報として使うことと、最終判断を任せることは分けて設計する必要があります。
止まると業務に重大な影響が出る仕組み
一つのツールが止まるだけで、受注、請求、顧客対応などがすべて停止する状態は避けます。
最初は、従来の手順も残しながら試せる業務や、失敗してもやり直せる補助的な作業から始めるほうが安全です。
「小さいか」だけではなく「安全に試せるか」で判断する
Claude Codeで作る題材は、規模だけで判断できません。
たとえば、利用者が一人だけのツールでも、大量の顧客情報を直接書き換えるなら影響は大きくなります。一方、複数人が使うものでも、公開情報をまとめて下書きを作り、最後は人が確認するだけなら、比較的試しやすい場合があります。
最初のテーマを選ぶときは、次の観点で確認すると整理しやすくなります。
| 確認項目 | 始めやすい状態 | 慎重にすべき状態 |
|---|---|---|
| 利用者 | 自分、社内の少人数 | 不特定多数、社外顧客 |
| 扱う情報 | 公開情報、テストデータ | 個人情報、機密情報、決済情報 |
| 失敗時 | 元に戻せる、再実行できる | データ消失、取引や判断へ直結 |
| 確認方法 | 人が結果を確認できる | 自動で確定・送信・公開される |
| 業務影響 | 従来手順へ戻せる | 止まると主要業務が停止する |
既存サービスで十分なら、無理に作らない
すでに使いやすい市販サービスがあり、費用や運用にも問題がなければ、それを使うほうが合理的です。
Claude Codeが特に役立つのは、次のような隙間です。
- 市販サービスでは自社独自の手順に合わない
- 複数のツール間に手作業が残っている
- 大きなシステムを導入するほどではない
- 小さく試してから必要性を判断したい



「作れるから作る」のではなく、「今の道具では埋まらない負担があるから作る」という順番が大切です。
安全な範囲を人が決める
Claude Codeは、コードベースを読み、複数ファイルを編集し、コマンドを実行して動作確認まで進められるツールです。
ただし、許可画面があるからすべて安全になるわけではありません。何を扱わせるか、どの範囲で作業させるか、出力を誰が確認するかは、人が決める必要があります。
いざな丑のひとこと



Claude Codeを使い始めると、「どこまで大きなものを作れるか」に目が向きがちです。
でも、最初に考えてほしいのは「明日の仕事を少し楽にできるか」です。



自分や社内だけで使い、結果を人が確認でき、うまくいかなければ元に戻せる。そのような小さなテーマであれば、失敗からも学びやすくなります。
小さく試して効果を確かめ、必要になった段階で対象や機能を広げていきましょう。
生成AI・Claude Codeの業務活用を検討している企業様へ
Claude Codeの活用では、ツールの操作方法を覚える前に、自社のどの業務を題材にするかを見極めることが重要です。
業務負担、利用者、扱う情報、確認体制を整理しないまま始めると、試作はできても社内で使えないものになりかねません。
株式会社いざなうでは、生成AI・Claude Codeを含むAI活用テーマの整理、社内研修、運用ルールづくりをご支援しています。


「自社では何から始めるべきか分からない」という段階から、お気軽にご相談ください。
参考情報
記事の企画・監修
DXコンサルタント 蓼沼 康之(たでぬま やすゆき)
株式会社いざなう 代表取締役社長
<経歴>
不動産デベロッパーにて、DX推進部門の立ち上げと業務改革に従事。その後、不動産テック企業の経営陣として、大手不動産会社や地方銀行を担当し、不動産情報や不動産ビッグデータの有効活用支援、DX推進コンサルティングを手がける。
営業DXの観点から、見積もり、発注、不動産データの納品までを自動化するDXサービスを企画・ローンチするなど、事業開発にも携わる。
生成AIの活用支援や導入コンサルティングの実績も豊富で、大手不動産会社から中小企業まで、企業規模を問わず幅広く支援している。業務効率化や営業支援、社内活用の定着まで、各社の課題に応じた実践的な導入をサポートしている。











