売上が倍倍ゲームで、数年で何億・何十億という売上を叩き出した会社は、はたから表面的な部分だけ見ると凄い会社にしか見えない。
ヒト・モノ・カネ すべてが凄いんだろうなぁと思うが案外そうでもないケースもある。
会社組織として当たり前に必要なものが欠落していたり、アナログ作業や恐ろしく非効率なインフラが当たり前だったり結構する。
え?これで何億・何十億も売上あるの?
ここが崩れたら、一気に崩壊(サービスの継続提供が物理的に困難になったり、会社そのものが立ち行かなくなる)する会社も何社も観てきた。
年齢より身体の発育が先行してしまった子供のようなイメージだろうか。
ときに人も会社も自分の力量、実力以上に桁違いの成果を得てしまうことがある。
そこには当然反比例の脆さが伴う。
一方で実力相応の売上の会社や、実力に対しまだ売上が伴っていない会社にその脆さは存在しない。
陰陽のバランスで見ればどちらも同じなのだ。
ここまでの話は、ある程度ビジネスの経験を積んだ方やコンサル業の方であれば既知のことだろう。
ウェブ制作業界の脆さと穴
ホームページ制作を生業とするウェブ制作業界は、ウェブマーケティング、SNS、マーケティングオートメーションの業界に比べれば、成熟しきった業界のイメージがある。
得にIT業界という括りでみたら、急成長の業界とは言えないと思うが、それでもここ20年で且つ日本全体の産業で見れば、急成長業界と言える。
20年前とは異なり、WordPressのようなCMSがスタンダードになり、独立しやすい業界である。
表面的な部分だけ見れば、再現性が高く独立しやすい業界にもまた脆さと穴があることも事実だ。
そんな急成長した業界だからこそ、脆さと穴のある会社が多い。そしてその穴は一見するとクライアント企業からはわからず穴と認識できないことが多い。
穴の一つがSEO対策である。
無論、作ることが仕事でありSEOは別見積です。お客様のキーワードはビックワードすぎて○○○万円くらいかかりますとか、制作会社にも言い分はあると思う。
そこじゃなくて、SEOの基礎構築である。
プロで且つ本当に実力のあるSEO会社であれば、キーワードを選定して狙って上げることも出来るだろうが、制作会社に求めるSEOはそこではない。
SEOの基礎設計である。
普通のウェブ制作会社様はこの記事を読んで、はぁ?当たり前過ぎて大丈夫?と思われたかもしれないが、それは貴方の会社がちゃんとしてるだけであって、ちゃんとしていない会社のことを書いていることをご理解頂きたい。
弊社はアバウトな集客や戦略の相談が多いため、ホームページも診断させて頂くことが多い。その際に担当者様から「ホームページは去年リニューアルしたばかりだから大丈夫です」と言われ、サイトを見ると見た目は確かにキレイにできているが、コードを見たときに「なんじゃこりゃ」と思うことが結構ある。そこで、SEOの基礎設計が出来ていないことを伝えても担当者様は???なのですが、
「ちなみにアクセス数ってどれくらいあるんですか?」
という質問を投げかけたときに、分からない、そもそも見られるんですか?という回答すらあるほどだ。
ホームページから集客できないが当たり前という記事に騙されてはいけない
ホームページから集客ができないのが当たり前という記事が時折見受けられる。
もしくはたくさん広告費やSEO対策費用などをかけないと難しいという都合の良い結論。
あれらの記事は、物凄く端的な言い方をすると、誰かが得をするための都合の良い宣伝記事である。
ホームページを作って集客できてしまったら、インターネット広告、SEO業者なんかは仕事が無くなってしまう。
つまり、ホームページを作っても何か仕掛けをしないと集客できないようにしておいた方が、潤う会社が多いのだ。
ただ、誤解しないでほしいのは、だからホームページ制作会社はSEOの基礎設計をしてくれないのだ!と思わないで欲しい。
急成長した業界なので、天然で知見の無い会社が多いだけである。
また、足りない部分を磨こうとしない現状に甘んじてる会社が多いのも事実である。
SEOの基礎設計なんて、ちょっと勉強すれば業界にいる人間なら誰にでもできるし、そんなに手間でもないのに、やらない会社・担当者が多いことが私はウェブ制作業界に存在する、力量以上に売上のある会社の闇・穴であると感じている。
他にもサーバー周りの知識が乏しく、データを納品して終わりで顧客から「アップまでしてくれないんですか?」→「見積書と契約書にも書いてありますが弊社は制作するまでです」となって揉めるケースもよく見る。
ウェブ制作会社も今後選ばれる会社で在るためには、フルスタックが求められると思う。
フルスタックとは、コンサルティング、デザイン、制作、SEO、ウェブマーケティング、ホームページを使った間接的な集客のスキル、サーバー周りである。
一つ一つのスキルは★★★★★じゃなくても★★★~★★★★くらいですべて兼ね備えていれば、フリーランスでも充分に高単価の仕事が得られ、且つリピート・紹介に結びつくと思う。
スペシャリスト人材からゼネラリスト人材が求められる時代に変革してきたと弊社は感じている。