「まずはオンラインMTG」をやめた理由。いざなうが商談前に価格を伝えるのは、お客様の時間を大切にしたいから

お客様の時間を奪わない営業へ。価格も資料も会う前に。いざなうの実例
商談前に費用と対応範囲を共有し、お客様の時間を大切にする4コマ漫画・PC版
商談前に判断材料を届ける4コマ漫画・スマートフォン版

※漫画は記事の論点を伝えるための創作です。以下では、株式会社いざなうと代表・蓼沼康之の実体験をご紹介します。

会う前に判断材料を届け、お客様の時間を大切にする。

これが、株式会社いざなうが問い合わせ対応で大切にしていることです。

「お問い合わせありがとうございます。まずはオンラインMTGでお話を聞かせてください」

よくある、丁寧なご案内です。直接話すことで、メールでは分からなかった課題が見えることもあります。

ただ、当社は、すべての問い合わせにこの言葉で返す進め方をやめました。先にお伝えできる価格や資料、対応範囲は、できるだけ先にお渡しする。そのうえで、お互いに話す意味が見えてきたら、しっかりお話しするようにしています。

※本記事は、いざなうの事業・顧客層・営業体制における一つの実践例です。業界、商材、価格帯、購買プロセス、営業組織の体制によって、適した進め方は異なります。面談を先に行う営業や、対面での信頼形成を否定するものではありません。

目次

「いいですね」が続いたのに、最後は「思ったより高い」

この考え方の原点は、蓼沼の営業担当時代にあります。

商品の説明をする。お客様の反応はよい。話も弾む。

「いいですね」「それができるなら、いいですね」

ところが、最後に価格をお伝えすると、「思ったより高いですね」で話が止まってしまう。

もちろん、価格だけで商品の価値が決まるわけではありません。説明を聞いて初めて、必要性や価値が分かることもあります。

それでも、そもそもの予算感が大きく離れているなら、もっと早く分かったほうがよかったのではないか。営業側だけでなく、お客様にも、検討や面談の時間を使っていただいているのだから。

蓼沼は、そんな違和感を持っていました。

先に価格を伝えたいと話すと、「お客様の心が離れてしまう」「営業テクニックとして、金額を先に言うのはなし」といった考え方に接することもありました。

「本当だろうか。価格が分かったうえで話を聞けたほうが、お客様も判断しやすいのではないか」

その疑問が、ずっと残っていたのです。

営業部の責任者になって、価格の見せ方を変えた

その後、営業部の責任者になった蓼沼は、自分で進め方を変えてみました。

定価を明確にする。二重価格にせず、値引きもやめる。そして、資料の最初に価格を明示する。

価格を後から切り出すのではなく、最初から検討材料の一つとして見ていただく形です。

蓼沼の実体験では、この変更を行った結果、受注率も売上も上がりました。

「やっぱりな」

当時の蓼沼が感じたのは、そんな手応えでした。ただし、これは当時の商材や顧客、営業体制のもとで得た経験です。値引きをやめれば、どの会社でも売上が上がるという話ではありません。

この経験があるため、独立してからも、価格はできるだけ最初に伝えるようにしています。

今のいざなうは、概算でも先にお伝えする

いざなうが扱うコンサルティングや開発支援では、問い合わせの時点で、すべての要件が固まっているとは限りません。

だからといって、最初の返事を「詳しくは打ち合わせで」にまとめてしまうのではなく、分かる範囲で情報をお返しします。

例えば、対応できそうなこと、確認したい点、参考になる資料。そして、現時点の条件に基づく概算価格です。

要件が曖昧な場合には、価格を幅でお伝えします。同時に、どのような前提での概算なのか、何が変わると金額が動くのかも、分かる範囲で添えます。

確定していない部分は確定していないとお伝えしながら、今の段階で判断できる材料を出す。

概算は正式見積ではありません。それでも、お客様が「この費用感なら社内で検討できそう」「今回は予算が合わない」「範囲を絞れば進められるかもしれない」と考えるための、大切な手がかりになります。

もちろん、文章だけでは整理しにくいご相談や、対話しながら課題を見つけたほうがよい場合には、早い段階でお話しします。メールの往復を増やすことが目的ではないからです。

商談前に、何の時間を減らしたいのか

減らしたいのは、お客様にとって判断が進まない時間です。

  • 予算が大きく合わないまま、面談や社内調整に使っていただく時間。
  • 問い合わせに書いた内容を、面談でも最初から説明していただく時間。
  • 対応できるかどうかを知るためだけに、日程を調整していただく時間。
  • 費用や対応範囲が分からず、社内で相談できないまま待っていただく時間。

こうした時間は、営業側のカレンダーだけを見ていると、見えにくいものです。

30分のオンラインMTGでも、お客様には日程調整があり、事前準備があり、場合によっては上司や関係部署への確認もあります。

会う前に伝えられることを伝えておけば、その負担を減らせるのではないか。当社が見直したのは、この順番でした。

問い合わせから事前情報、概算・適合確認、商談へ進む、いざなうの営業の流れ

商談は、前提をそろえて本題を話す場へ

当社が意識している流れは、次のようなものです。

問い合わせ → 必要な事前情報の確認 → 概算・対応範囲の共有 → お互いの適合を確かめた商談

先に情報を共有できれば、面談で「何ができる会社なのか」「おおよそいくらなのか」を一から説明する時間が短くなります。その分、具体的な課題や、進めるうえでの懸念を話しやすくなります。

ただし、事前質問を増やしすぎて、お客様に長い宿題を出してしまっては本末転倒です。既にいただいている情報を読み、足りない点を絞って確認する。資料も大量に送るのではなく、その判断に必要なものをお渡しすることが大切だと考えています。

Webからの反響の30%以上が、受注につながっている

こうした営業の進め方とあわせて、いざなうでは、Web上で自社の考え方や支援内容を伝えることにも取り組んでいます。

SEOやAIO(AI検索を意識した情報発信)を通じ、当社の支援内容と課題が合う、質の高い反響をいただけていることも、現在の営業を支えています。

お問い合わせの前に「どんな会社か」「どんな考え方で支援するのか」を知っていただき、問い合わせ後には、具体的な対応範囲や費用感を共有する。Webでの情報発信と、その後の対応をつなげて考えています。

当社では、Webからいただく反響の30%以上が受注につながっています。

※数値は、本記事制作時点での当社代表による自社実績の紹介です。商談実施後の成約率ではなく、反響から受注に至る割合を指します。

この歩留まりを、価格を先に伝えることだけの効果とは考えていません。問い合わせ前の情報発信、相談内容との適合、当社への信頼、支援内容など、複数の要素が関わる結果です。他社でも同じ数字になることを示すものではありません。

それでも、先に情報を出すことと、受注につなげることは、当社では両立しています。

AIや自動化を使うなら、まず「何を先に伝えるか」から

商談前の情報整理は、AIによる完全自動化が前提ではありません。

今回の実例でお伝えしたいのは、ツールの機能よりも、情報を渡す順番です。

追川さん:「お客様ごとに、先に伝える内容を整理するのは大変そうですね」

タデヌマ:「何度も説明していることは、資料にできます。まず、共通で伝えられることと、個別に考えることを分けたいですね」

セツ:「AIを使うなら、問い合わせの要点整理や返信案づくりが候補になります。価格や対応可否の確認は、人にお願いします」

※上記のキャラクター会話は、改善の考え方を示すための創作です。AIの活用例は検討の方向性であり、今回紹介した受注実績をAI自動化による成果として示すものではありません。

共通の説明をコンテンツにする。必要な情報を探しやすくする。人が確認すべき点を決める。その整理ができてから、必要に応じてAIやシステムの助けを借りる順番だと考えています。

大切にしたいのは、「いかにお客様の時間を奪わないか」

会田部長のように、直接話しながら信頼を築く営業の力は、今も大切です。会って初めて見える課題もあります。

だからこそ、会う前に分かることは、できるだけ分かるようにしておきたい。

価格が合わないのに、アポイントの時間をいただいてしまう。対応できないご相談なのに、詳しく説明していただいてしまう。資料に書ける内容を、会わないと分からない状態にしてしまう。

そうした時間を、少しでも減らしていきたいのです。

営業やマーケティングは、こうあるべきだという話ではありません。いざなうも、自社に合う進め方を試しながら、改善を続けています。

「とりあえずアポ」から、お互いのマッチ度を確かめたうえで、しっかり話せる商談へ。

情報の可視化と透明性を高めることで、お客様が自分で判断できる場面を増やす。そして、お話しする時間には、そのお客様にとって意味のあることを、一緒に考える。

当社が価格や資料を先にお渡ししたい理由は、そこにあります。

問い合わせから商談までの流れを、見直してみませんか

株式会社いざなうでは、問い合わせ対応、事前説明、提案・見積、商談設計などの営業プロセスの整理を支援しています。

「毎回同じ説明をしている」「費用を伝えた段階で話が止まる」「商談は多いのに、具体的な検討に進まない」。そんな課題があれば、今の状況を分かる範囲でお知らせください。いただいた内容をもとに、対応の方向性や費用感など、お伝えできる情報からご案内します。

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記事監修

株式会社いざなう 代表取締役 蓼沼康之

事業開発・営業戦略・営業DX・DXコンサルティング領域を中心に、企業の営業プロセス設計やDX推進を支援。本記事は、本人から提供された実体験と自社の実践内容をもとに構成しています。

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